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早期胃がん

毎日コツコツと胃カメラをやっていると、年に2人ほど早期胃がんの方に出くわします。

胃袋は、4層構造をしていて、内側から
①粘膜層(胃酸や粘液を分泌する)
②粘膜下層(粘膜に栄養を送る)
③筋層(胃袋をグルグル動かす)
④漿膜層(ほかの臓器と擦れないようにツルツルにさせる)
があります。

胃がんは、必ず①から出来て、順番に②③④と進行していくと同時に、血管やリンパ管に入り込むと
転移をしていきます。

①の層には血管がないため、まだ①にとどまっているがんなら、転移は起きないことになります。
まるで魚を3枚におろすように、粘膜の下に潜り込んでそぎ落とすことができれば、胃袋の機能を全く落とすことなく
がんが切れます。あとで顕微鏡で確認して、一部悪性度の高いがんを除いて予想通りの深さにとどまっていれば
転移の可能性もほぼありません。

私たち内視鏡を扱う医師は、それくらい早期のがんが見つけられるように日々訓練しています。

と言っても、胃カメラは苦しいもの。できればやりたくない検査です。
少しでも苦しくないようにできる限り丁寧に鼻の麻酔をしてから細いカメラで観察するようにしています。

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