あまり聞きなれない言葉ですが、大腸カメラをやっていると、よく出くわします。
憩室とは?
大腸の壁の一部が腸の中の圧力に負けて袋状に腸の外側へ飛び出した状態をいいます。
内視鏡で見ると、腸の粘膜が凹んだように見えます。
憩室があると症状はあるの?
基本的に憩室があるだけでは何も症状はありません。
大腸カメラで偶然見つかるくらいで、多くの人は自分にそんなものがあるなんてことも知らずに一生を終えることもあります。
憩室の底は筋肉の裏打ちがないため、非常に薄く、傷がつくと腸の中身=便が本来無菌であるおなかの中に入り込むので強い腹痛を起こすことがあります。(憩室炎)
憩室のすぐわきには太い血管があることが多く、傷が血管方向につくと得に腹痛もなく真っ赤~赤黒い便が出ることがあります。(憩室出血)
憩室があると癌化する?
そんなことはありません。単に腸の壁が構造上弱いところから外側へ膨らみだしただけのものです。
憩室とポリープの違いは?
憩室は粘膜の構造は正常で、単に腸の外側に飛び出したものをいいます。
ポリープは細胞が集まって盛り上がったものをいいます。完全に良性のもの、良性だが大きくなると癌が混じってくるもの、癌があります。
憩室は基本的に処置の必要ない形の異常
これを見つけたから何か処置が必要ということはありません。強い腹痛、血便があればその時に治療すればよいです。