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大腸ポリープ切除

大腸カメラをやっていると、時々出くわすのが、大腸ポリープです。
周りにも大腸ポリープをとったことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。

大腸癌は①何もないところに突然できる癌と、②ポリープがあって一部が癌化してくる癌があります。
割合としては圧倒的に後者のほうが多いです。

ポリープをとるメリット

将来のがんのもとを取り除くことができます。

ポリープ切除の流れ

大腸カメラで見ていて、ポリープが見つかれば同時に切除をします。

①5㎜を超えている場合
ポリープの下に生理食塩液を注射します。
生理食塩液で盛り上がったポリープの周りに一部正常の粘膜をつけてスネア(輪状の電気メス)をかけます。
輪を締め上げて電気を通し、焼き切ってきます。
最後に切り口をクリップ(洗濯ばさみのようなもの)でふさぎます。

②5㎜以下の場合
ポリープにより細いスネアをかけて、そのまま引きちぎるように切ります。
その場は出血しますがすぐに止まり、後日出血する危険や穴が開く危険は極めて少ないです。

ポリープ切除の注意点

当院では開院以来1例もありませんが、大腸の壁は薄いので、電気メスの熱が伝わってしまうと大腸の壁に穴が開くことがあります。

ポリープにはもともと血管が入り込んでおり、それを切るため、出血のリスクがあります。
電気メスで血管をつぶしたり、クリップでふさいだりして血が出ないように処理してくるのですが、それでも出血することがあります。ほとんどが術後3日以内の出血ですが、2週間ほど経ってから出血した事例もあるようなので、それまでは過度な飲酒、激しい運動、長時間の入浴は避けてくださいと指導しています。

当院でポリープを切除後に便器が真っ赤になるような出血があればご連絡ください。

安全なポリープ切除を目指して

大変な思いをして、休みをとって、大腸カメラをやったんだからその場で全部終わらせてほしいと思われる方も多いですが、ポリープを切るのはリスクが伴います。大きなものを切れば当然出血のリスクも高まりますし、うまくスネアでつかめなければ取り残しが出てしまうこともあります。院長はさんざん大きなポリープの切除に携わってきましたが、それは大病院に勤めてきたからです。何かあれば外科医がいて、最悪手術で何とか出来るから大胆な治療ができます。しかし、今は一開業医です。無理をしない範囲で切除をする、そういった戒めを込めて、はとりファミリークリニックでは、あえて一定の大きさ以上のスネアは用意せず、これでつかめそうもないなら総合病院へ紹介するようにしています。
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