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胃もたれ

胃もたれとはどんな症状ですか?と考えたことはありますか?
日常生活でも比較的起こりやすい症状ではあるものの、意外と定義があいまいです。
胃が重たい、張った感じがする、苦しい、消化されていないような感じ、詰まったような感じがする、人によっては吐き気がすることも胃もたれと言います。
私が胃もたれを訴えて受診された患者さんを診察するときはあえて胃もたれを別の表現で表してもらうようにしています。そうすることでより細かく分析できるのではと考えています。

胃もたれの原因

①ストレス
「腹に据えかねる」「はらわたが煮えくり返る」などイライラしていることを表すときに、「はら」を使います。イライラして自律神経の働きに変化が出てくると、胃の動きが低下して、さらにストレスがかかると胃がものを受付けなくてもよいようにギュッと縮こまってきます。それによって胃もたれが生じます。

②加齢
年齢を重ねると胃の動きが弱まって、胃もたれが生じることがあります。

③暴飲暴食
人間は食べたものはくまなく消化吸収をしようとします。ただし、腸でできる消化吸収は一定のリズムでしかできないので、一度にたくさん食べたらとりあえず胃袋に貯めておいて少しずつ腸に送り出すことで、全部消化吸収をしていきます。脂っこいものはさらにゆっくりとしか消化吸収ができないので、脂っこいものをたくさん食べるといつまでたっても胃が空っぽにならず、胃もたれの原因となります。

④食道~胃の病気

胃もたれを起こす病気

①胃潰瘍
②十二指腸潰瘍
③胃がん
④機能性ディスペプシア
⑤症候性胃炎

胃潰瘍、十二指腸潰瘍は近年のピロリ菌の感染率低下に伴って、本当に診る機会が減ってきたように思います。問題は胃がんで、早期には症状はないものの、がんは硬いので進行してくると胃の動きを制限してしまったり、胃の出口をふさいでしまって「胃もたれ」が出てくることがあります。
それが「胃もたれ」にも胃カメラをお勧めする理由です。

機能性ディスペプシアは胃カメラで異常がないにもかかわらず、「胃もたれ」がおきる病気で、ご飯を食べれば本来であれば胃が広がるところがうまく広がらないことなどが原因と言われています。

迷ったら胃カメラ

明らかなストレスや食べ過ぎがわかっているのならそれを是正するのが第一です。ストレスは何ともならないときもありますので、お話を伺いつつ解決策を模索していきます。
前述のとおり胃潰瘍や胃がんも胃もたれの原因になりますし、胃薬を使うと胃がんも症状が良くなることがありますので「胃薬が効いたから胃がんではないは大間違い」です。

名古屋市中川区のはとりファミリークリニックでは、少しでも苦しくなく胃カメラを受けていただけるよう、鼻からの胃カメラを導入しています。少しでも不安があればそれを解消する。それが消化器内科医の基本と思っています。「胃もたれ」が続くときには内視鏡専門医による胃カメラをお勧めします。
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