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潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、原因不明の大腸の慢性炎症を主体とする病気です。
腹痛、血便、下痢、発熱などが症状としてよくあります。

「最近、おなかが痛くてトイレに行くと、下痢っぽい血便が出ます」といった訴えが多いです。

どんな人が発症する?
比較的若い人に多く、発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性で25~29歳ですが、比較的高齢になってからの発症もあります。

遺伝はするの?
家族内での発症も認められており、何らかの遺伝因子が疑われて研究がされており、ある特定の遺伝子を持っていると発症しやすい可能性があるとは言われていますが、その遺伝子を持っているから必ず発症するわけでもありません。潰瘍性大腸炎患者の便は、健常者の便と細菌の割合が違うとの研究もあり、食生活などの環境要因なども複雑に絡んでいるように思われます。

どのように診断していくの?
症状の経過を伺い、まずは下痢をおこす細菌感染などをある程度除外し、大腸カメラを行って診断していきます。

大腸カメラをすればすぐにわかる?
比較的わかりやすい内視鏡所見があり、直腸(おしりに近い腸)から口の方向に向かって連続性に腫れぼったい粘膜が続くことが多く、カメラをいれて数秒で潰瘍性大腸炎かもしれないと気付くことがよくあります。細胞をとってきて、顕微鏡で覗いてみて潰瘍性大腸炎に特徴的な細胞が並んでいればより確実に診断できます。

治療は?
基本的に薬による治療が行われます。重症であれば手術を考えることもあります。
①5-アミノサリチル酸(5-ASA)
②副腎皮質ステロイド
③免疫調整薬・免疫抑制薬
④JAK阻害薬
⑤顆粒球除去療法
⑥抗TNFα拮抗薬
当院では、上記治療のうち、①②③を行っています。
これらでうまくいかない場合、経過の中で中等症から重症に至っていることが多く、入院も考慮する必要が出てくるためあえて④以降はあえて行わず入院のできる病院へ紹介をしています。

どういう経過をたどる?
ほとんどの患者さんは最初の治療で症状の改善や消失が得られますが、なかに再発する人がいます。何度も症状の再燃を繰り返していると前回効いたはずの薬が効きにくくなってくることもあり、症状の再燃をおこさないように継続的に治療をしていく必要があります。

気になる方は大腸カメラを!
下痢、血便、腹痛などあれば躊躇せずに大腸カメラをしましょう。
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